キリスト会

2014-06-10

Ministry of the Society of Christ Fathers to Polish Migrants

1.この修道会の歴史についての概説

20世紀の終わりに向かって、世界の様相を劇的に変え、さらに今も変化をもたらし続けている多くの事が起こりました。それらの出来事のうちの一つとして、今も起こり続けていることが、移民です。これは、この時代の特徴の一つとして挙げられます。これには多くの理由があります。二つの世界大戦、全体主義による支配体制、政治的、社会的、経済的危機が、この膨大な数の人の移動の大きな原因となりました。移民は欧州圏内だけでなく、ヨーロッパ大陸から南北アメリカ、オーストリア、アフリカへも起こりました。多くのヨーロッパ人の移動のなかで、ポーランド人も相当数を占めました。移住を決意する要因は、今も当時もポーランドの地理的位置でした。ポーランドの多くの若い男女が強制的に移住させられました。彼らはシベリアに強制連行されたのです。その原因は、全体主義的共産主義体制および第二次世界大戦後のヤルタ協定によるヨーロッパの分割統治でした。
 
1930年代に、ポーランドの教会史上にアウグストフロンド枢機卿が現れました。
彼はシレジア地方の生き残りでした。彼自身、ローマでの勉学中と、オーストリアのウィーンでサレジオ会の管区監査役をしていたときに、移民としての生活を経験しました。彼は移民の生活がどのようなものかを知りました。フロンド枢機卿は、グニエズノ-ポズナン大司教区の大司教となり、さらにポーランドの大司教になられて以来、ほかのどんな仕事よりもポーランド人の移民に特別の配慮を示されました。彼は、欧州と南米で暮らすポーランド人を訪ねました。ポーランド人移民のための司牧が危機的状況にあることを知って、彼はポーランド人の移民たちにポーランド語を話す司祭を確保するためにあらゆる手を尽くしました。ついに、1932年に教皇ピウス11世の賛同を得て、彼はポーランド人の移民のためにキリスト会という修道会を設立しました。彼はこの新しい修道会をまとめる役目をグニエズノ-ポズナン大司教区の司祭であったイグナツポサツキ神父にまかせました。当初、これは非常に困難な仕事でした。この修道会の発展は第2次世界大戦によって中断を余儀なくされました。戦後、ポサツキ神父は再び一からこの修道会を立て直し始めました。1956年になって初めて、この修道会の神父たちは国を離れ、彼らのミッションの現場へ赴くことができるようになりました。戦争によって引き起こされた事情によって、ポーランドの国境を越えて遣わされた司祭たちはその場に残りました。
 
ポーランド国内の新しい政治的事情によって、1956年はこの修道会のミッションを認識する上でターニングポイントになりました。最初にミッションに派遣された司祭たちは、ブラジル、オーストラリア、ドイツ、フランス、カナダ、アメリカ合衆国に旅立ちました。これらがこの修道会のメンバーが派遣された最初の国々です。以来今日に至るまで、これらの移民に多くの司牧を送ってきました。
 

2.カトリック教会おける私たちの修道会の位置づけ

カトリック教会における私たちの修道会は、1950年4月22日にローマ教皇庁のDecretum Laudisによって認められました。ポーランドのオストルフ トゥムスキという町の古いカテドラルの影に、この修道会は付属神学校と共に建てられました。現在、私たちの修道会に所属しているのは、司祭が395人、修道士が40人、神学生が50人、神学校への入学準備生が17人です。神学生とその準備生の出身国は、オーストラリア、ブラジル、ベアルーシ、ルーマニア、ドイツ、ウクライナ、アメリカ合衆国と多岐に渡ります。長いポーランドの歴史およびキリスト教の歴史、そして豊かな伝統を持つオストルフトゥムスキというこの特別な地から、私たちの修道会の司祭や修道士はそのミッションを胸に世界各地へと飛び立っていきます。
どのような修道会であれ、成熟し発展していくためには、確かな組織に基づいて行動する必要があります。このような構造は、他の修道会で機能しているものとさして変わりません。総長と理事会が、この修道会での生活を一つの共同体として世話をする義務を負い、この修道会の使命を明確にする役割を担っています。この修道会は複数の管区からなり、管区長と管区の理事会が責任を負っています。現在6つの管区があります。
オーストラリア管区:オーストラリア、ニュージーランド
フランス管区:フランス、スペイン
イギリス管区:アイスランド、イギリス、南アフリカ
ドイツ管区:ドイツ、オランダ、イタリア
南アメリカ管区:アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ
北アメリカ管区:カナダ、アメリカ合衆国
もちろん、司祭の多くはポーランド国内の北西部、シュチェチン大司教区およびヴロツワフ大司教区で働いています。
キリスト会の司祭が総長の直接管轄下に置かれている国は、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナ、ハンガリのブタペストです。
 

3.ポーランド

第二次世界大戦の終結以後、私たちはポーランド国内でも奉仕してきました。まず第一に、西部およびヴロツワフの大司教区において、そして現在は、ポーランド国内で145人の司祭と36人の修道士が働いています。国外で私たちのミッションのもとで働いている仲間は、司祭が250人、修道士が4人です。私たちの修道会には「Hlondianum」という修道会所属の出版部があります。ここでは「聖なるミサ」という聖書と典礼を毎月発行するだけでなく、「互いに愛し合いなさい」または「神学校セミナー」のような雑誌も出版しています。修道会としての活動と並行して、アウグストフロンド枢機卿の名のもとに財団が設立されました。
 
昨年、私たちの修道会の設立者アウグストフロンド枢機卿の列福について、ポーランド国内でのプロセスは終了しました。このプロセスは現在ローマで進行中です。
 

4.結論

ポーランド人移民の多くの要望を知って、キリスト会は、その司牧の必要性は自分たちだけでは満たしきれないことに気づきました。カトリック教会におけるこの特別の使命は、教区司祭と修道会の司祭の両者によってのみ満たされることができます。
 
千年期の節目にあたり、キリスト会は他の多くの司祭と共にポーランド人移民に、何が人生で最も大切で必要不可欠であるかを示す役割を担っています。彼らが多くの異なる国々で、それぞれの文化や伝統や風習の中でどんなに豊かに生きていても、一つの、最も大切なことだけは忘れてはなりません。それは、キリスト教の信仰であり、カトリックの信仰であります。それは、2000年というカトリック教会の伝統から脈々と続いており、この現代社会の新しい状況のなかでも宣べ伝えられなければならないのです。
 
キリスト会総長 トマシュシェリツキ神父


Society of Christ

 

 

 

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